研究室概要
本田の研究テーマは、俵屋宗達を中心とする琳派研究と、中世から近世へかけてのやまと絵の展開です。二つのテーマは、江戸時代初期に活躍した宗達を結び目につながり合っています。宗達の作品にはそれまでの造形の文法―モチーフ、画題、描法など―を踏まえながら、一歩新しい立場でそれらを再構成する様子が見てとれます。その機知的な姿勢は、宗達を生み出した宮廷の趣向を反映するものでしょう。中世から近世への転換期にあって、時代を写し出す作品たち。その成り立ちを深く考えることは、時代背景というにとどまらず、当時を生きた人々、作品を伝えてきた人々についても知ることにつながります。あくまで研究対象は作品ですが、過去の美術を通して人を知る学問が美術史だと考えます。
博士前期課程
美術総合研究
- 日本美術史
日本美術史に関する研究を各自のテーマに基づいて行い、修士論文の完成を目指します。個人指導または少人数のゼミで、基礎的文献の講読や作品調査、研究成果の発表・討議を通して専門的研究能力を養います。
美術特別研究
- 日本美術史特殊研究A・B
ゼミ形式で、日本美術史分野における専門的な研究能力を身につけます。
- 日本美術史に関する専門知識(用語、研究史、論点など)
- 作品調査方法(調書作成、カメラの扱いなど)
- 文献収集と読解力(くずし字・落款を含む)
- 論文作成・プレゼン能力