研究室概要
私は主として戦後アメリカの現代のアートについて研究してきました。なかでも、ミニマル・アート以降の現代アートおよびアメリカの美術批評に特に関心を注いできました。具体的には、批評家ロザリンド・クラウスの美術批評とアースワークの作家ロバート・スミッソンの作品と思想が、それぞれいかにして50年代までのアメリカのモダニズムの考え方を覆し、別の地平を切り開こうとしてきたかに注目してきました。
これらは広い意味での「モダニズム以降」という問題、欧米はもちろん日本を含めたグローバルな現代アートという広大な視野と接続し、他方ではその歴史を問うという課題を必然的に伴うことになります。そしてさらには、この視点から現在の内外のアートを見つめ、その現在地と可能性を探ることも自分の課題だと考えています。
博士前期課程
美術総合研究
- 現代アート論
第一に各自の現代アートに関わる研究対象を、これまでの研究の経緯も踏まえ、教員と学生が自由に相互に多角的に議論・検討していきます。続いてその主題が属するであろう複数の文脈を検討し、その研究の方法と道筋を考え、年間の研究計画を立てていきます。さらにそのために必要な複数の主要文献を参照しつつ、考察を深めていきます。総合研究では、こうした議論と考察を、学生と教員の自由な討論によって進め、修士論文への道筋を整えていきます。また年に一度、研究発表を課します。
美術特別研究
- 現代アート論特殊研究
学生または教員の選んだ現代アートに関する日本語または英語の文献を講読し、その要点を理解し、内容について議論します。必要に応じて、文献を増やし、学生または教員の研究テーマに沿って主題を展開させていくことになります。